CD黎明期のCDプレーヤー

アナログデバイス、バーブラウン、フィリップスのマルチビットのDACのNOSの音はすべて聞いたのですが、唯一SONYのものは聞いたことがありませんでした。最後の総仕上げでSONYのチップの音の確認のために、私が大学に入学した年に発売されたジャンクなCDプレーヤーをヤフオクで落札しました。DACチップはCX20152です。そのころマランツがCD-34を日本市場に展開していましので、その対抗馬として導入された意味合いが強い製品だと思います。ご存じの通り、CDの企画をつくるときPhilipsは14bit,SONYは16bitを提唱しました。そんなことからSONYが製造したそのころの16bitのDACチップがCX20XXXシリーズとCX890です。

ジャンクなプレーヤーだけあって、電源をいれて前面パネルの表示はされるもののウンウンいうだけでトレーの開閉もできずCDも回転しませんでした。早速蓋を外してさらに前面パネルをはずしてウンウン言っているところを見てみると、トレーを開閉するモーターは回ってはいるものの、ベルトが伸びきって空回りしていました。早速ベルトをはずして手でプーリーをまわしてトレー閉端のスイッチをいれてみたところ、普通に再生を始めました。
出力された音の傾向が聞きなれた音でしたので、基板上の回路を簡単に追ってみたところ、デジタルフィルターが省略された機種でした。NOS出力ですのでどうりで聞きなれた音だったわけです。LPFは簡単なオペアンプの回路となっていたのでまだまだ改良の余地はありますが、これだけでも十分リスニングに耐えうる音質です。発売されたころの評価はあまり良いことが書かれていませんでしたが、あまりあてにはならないものです。マランツのCD-34はTDA1540とともにデジタルフィルターが搭載されています。音質は決して褒められたものではありませんでした。TDA1540は別基盤でNOSとして聞いたことがありますが天と地ほどの差があります。

私が思うに、CDはレコード比べてキンキンしてアナログとは別物の音がするとよく言われていましたが。レコードに特化されて調整されていたシステムにNOSのプレーヤーをつないだのでそんな状況となってしまい、それを緩和するためにオーバーサンプリングでぼかして艶っぽくした音作りとしていったのだと思います。

ファインメットアンプ、現代の励磁スピーカーの組み合わせで当時とは比べ物にならないぐらいの忠実再生ができる時代となって、ようやくマルチビット、NOSが真価が発揮できるようになったような気がします。

文句なしです。


コメント

人気の投稿