DIYで高品質なスピーカーの製作

 

『はじめに』  

私のが求めるスピーカーは、全帯域時間軸で正しく再現された音が出力できることです。なにも足さない何もひかないのが理想です。今回紹介するのは、その理念を自分なりに進化させたスピーカーのDIY製作方法です。ホームセンターで購入可能な部材を用いて、振動や共振を徹底的に排除し、遮音、吸音にも配慮した構造で音の純度を極限まで高めた構造を目指しました。

『ステップ1:ユニットの固定方法  』 

今回使用したユニットはTamgband W3-1878です。選択した理由は下記となります。

  1. 強力なネオジウムマグネットを採用した強力な駆動力。
  2. 小口径8㎝ユニット(コーン直径5㎝)ということで、分割振動が可聴域外にある。
  3. ストロークが4㎜と長く75hzと低い最低共振周波数で低域の再現性が高い。
  4. ムービングマスの重量が2g程度と軽量


 ユニットは 溶接フランジで挟み込むように固定。( バッフル自体がユニットを支える構造となり、ムービングマスの 1000倍以上の質量を確保。)  



 これにより、ムービングマスの動作の影響でユニットの動きがほぼなくなり、確実に信号にリニアにコーンが動作することができるとともに、重量級のバッフルを使用することにより不要な振動は徹底的に抑え込まれます。



『ステップ2:エンクロージャーの素材』

- 使用するのは コンクリート製フェンス台(密度が高くかつ内部損失も大きい。厚みもあるので低域までの遮音も可能で、重量は20㎏以上あり箱鳴りもほぼゼロにできます。

更に低域の処理をするならば、このフェンス台の下にもう一つ雨どい桝などを同様の構造で設置します。


『ステップ3:バッフルの支持構造  』

バッフルはフェンス台の上にベアリングで3点支持とします。  これにより、ユニットの振動は確実に制御され、不要なエネルギーが構造体に伝わりません。「動かすべきものだけが動く」かなり理想的な状態を実現できます。
また、バッフルとフェンス台の間にベアリングの高さ分の隙間ができますが、そこは粘土を外から囲むように設置し、空気漏れを防ぎます。ベアリング間には、ベアリングの高さよりも低い金属を挟み込みます。





『ステップ4:内部吸音材の配置  』

ユニットに近い順位置から下部向けて『コットン → 低密度フェルト → 高密度フェルト』を配置します。この時、詰めすぎると音に現れるので注意してください。 吸音材のグラデーションが、音の減衰を自然にコントロールするとともに、空気にブレーキをかけることができます。エンクロージャーの最下部には 石を設置してユニットから床面に直接放射される 音のエネルギーを分散させるとともに内部の定在波を抑制。石の上にはコットンを載せて、中高音のユニットの直接反射するのを軽減します。

『 まとめ』  

全帯域時間軸に対してハイスピードでフィディリティの高い音質で、空間も自然に再現されます。低域は50Hzぐらいまではフラットで、30Hzぐらいまで感じられます。共振を使わないハイスピードな低域はGS-1に通じるものを感じます。


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