信号の反転回路


プッシュプルの利点は何といっても低域のリニア差です。もし万が一理想的な素子を集めることができるのなら、シングルよりもプッシュプルの方がかなり音質的にも有利になると思います。しかしながら球のバラつきや部品のバラつきで、プラス側の増幅回路とマイナス側の増幅回路を完全に対称形につくることができないのが実情で、部品の特性のバラつきや制度の誤差はシングルの方が部品点数が少ないということもあって、そろえやすいと思います。少なくともモノラルでしたら、選択した部品の特性や定数が唯一に決めることができます。
先日も書かせていただきましたがCDプレーヤーなどのアンバランス出力をブッシュプル回路で増幅するには反転シグナルを生成する必要があります。これまではトランスをつかって変換していましたが、真空管を2つ使った方法と音質を比較してみましたところ、図の方法のほうが良い結果となりました。バワー段に直結する場合はB2+電圧とRL,RKで調節ができます。直結でない場合はコンデンサーやトランスで一旦受けることになるので、トランスで差動シグナルとした場合とどちらがいいかまだ試していませんが、一段増幅でないプッシュプルの場合はこの方式を採用したいと思います。

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