はじめに
W3-2141を組み付けてからおよそ一週間が経過しました。他のオーディオシステムと比較しながらじっくりと試聴を続け、アンプやDAC側の調整を行いましたが、どうしても音質面で気になるポイントが残りました。
特に高域のまとまりや音場の広がりに関して、アンプやDACの調整では解決が難しく、問題はユニット本体にあると判断。そこで今回はユニット側に手を入れることにしました。
音の変化を一つずつ丁寧に確認していくため、初回は 「Stage1」のみを施工 し、その効果を検証することとしました。
改善の考え方
W3-2141はコンクリート製エンクロージャーを採用しており、本体は非常に高剛性で振動が少なく、不要な音の漏れを防いでくれます。一方で、その構造上、内部で反射した音が吸音されず、スピーカーユニット前方から放出される音に悪影響を与えてしまうという課題が見えてきました。
とくにユニットに最も近い「バスケット部」や「マグネット背面」からの反射が、音のクリアさや音場感に悪影響を及ぼしていると考えられます。
そこで以下の改善を施しました:
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バスケット内側にコットンを貼り付け、ユニット前方へ漏れる反射音を軽減。
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マグネット部にもコットンを配置し、内部反射のさらなる低減を図る。(※写真内、赤丸部分参照)
Stage1の効果
Stage1の施工により、特にコーン紙に最も近い位置からの反射音が軽減され、結果としてスピーカー前面から放出される音の純度が向上しました。
音場が一気に広がり、中高域のがさついた質感やこもり感も大きく改善。音の「抜け」が良くなり、より自然で開放的なサウンドへと変化しました。
まとめ
エンクロージャー内部の吸音材の配置と空気の流れを見直したことで、低域の改善が顕著に現れました。さらに、適材適所――すなわち、周波数帯域ごとに吸音材を最適化したことにより、微細な音も高い精度で再現できるようになりました。オリエントコアのシングル真空管アンプと、NOS DACとの組み合わせにより、W3-2141は GS-1と同等レベルの音場表現が可能に。
オーケストラやパイプオルガンといった大編成の音源でも、音がつぶれず、それぞれの楽器の存在感がしっかりと伝わってきます。音楽を聴く喜びが、一層深まる結果となりました。
今後はさらに「Stage2」以降の改良も視野に入れつつ、引き続き検証を進めていく予定です。
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