「Evo」から「Evo ver.1」、そして現在の「Evo ver.2」へ──長年かけて取り組んできたmodel7の進化について、今回は少し振り返ってみようと思います。
最初のステップは「model7」をEvo化するところから始まりました。これはもう、大改造といってもいいレベル。構造自体に大きく手を加え、もはや別物に仕上がっています。
その後、Evo ver.1では、エンクロージャー内部の構造を徹底的に見直し。吸音材の配置やバッフルの振動特性まで細かく調整することで、音の密度感と立体感が格段に向上しました。
さらにEvo ver.2では、フェーズプラグの再設計を実施。定位感の明瞭さや高域の伸びにまで影響が及び、仕上がりとしてはEvo.1とは完全に別次元のスピーカーになっています。
すべての基準となるスピーカー「GS-1」
ただし、ここまで調整を突き詰めていく中で、絶対に外せないのが「GS-1」の存在です。
model7のチューニングは、このGS-1がなければ私には不可能でした。音の変化を楽しむのも良いのですが、基準がなければ、どこかで迷子になる──それを痛感します。
調整以前に必要なもの
もうひとつ重要なのが、スピーカーの調整に入る前の環境整備です。どんなにスピーカーが優れていても、再生するアンプやDACにクセがあれば、音の評価がブレてしまいます。
ですから、「クセのない」アンプとDACの選定は必須。そして音の基準を定量的に把握するためには、やはりHIOKI 3522 LCRメーターが欠かせません。これがあるかないかで、調整の精度も方向性も大きく変わります。
GS-1とmodel7、近づく音の傾向
調整を重ねていくほど、GS-1とmodel7の音の傾向がじわじわと近づいていく──これはとても面白い現象です。もともとキャラクターの異なる2つのスピーカーですが、「理想の音」に近づけていくと、自然と共通する要素が見えてきます。
ひとつのモデルを深掘りしながら、試行錯誤を続けるこのプロセスは、何年経ってもやっぱり楽しいですね。
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