スピーカーを「消す」ための調整──Model-7とフェーズプラグ調整②

 



先日行ったModel-7のフェーズプラグ調整に、再び手を入れました。

前回は、フェーズプラグの長さを変更して、大まかに空間形成の傾向をつかみました。またフェーズプラグのコーンの突き出した部分の中央にフェルトを巻くことで、耳障りな高音のピークをやわらげるという試みを行いました。これは一定の効果があったが、どうにも高域が「詰まる」ような印象が残りましたた。

そこで今回は、更に音と空間をより自然にするための再調整を行いました。


1. ポールピースの長さとスペーサーの調整

今回まず注目したのは、ポールピースに最も近いスペーサー部分。ここの直径が微妙にユニットと合っておらず、音の通り道が整っていないと感じていました。今回の調整をし結果と比べると、高域にムラが出ていた感じです。

スペーサーの直系の調整には、自然素材の麻紐と、銅箔テープを使用。それぞれを重ねることで直径を最適化しました。この部分の直径だけで高域の量感と質感が劇的に変化しました。麻紐だけのときは繊細でナチュラルな音。銅箔テープを加えると、音のエッジがより明瞭に浮かび上がってきます。

これはまさに「好み」の領域。自然さを取るか、アタック感を取るか。

ポールピースも曲率が異なるものが2種類あるので、それぞれで調整を実施しました。


2. 高域の耳障りな音のさらなる対策

フェルト素材の人工的な響きが気になったため、自然素材である麻紐に切り替えることにしました。巻きつける位置と長さで、位相や低域の出方まで変化しました。2ミリ巻きはじめをずらすだけで、空間の印象が変わりますので、調整作業はPDCAの繰り返し。


結果──「音が出る箱」を消す

こうして仕上がった音は、5インチのパージュールユニットと比較しても遜色ないまたはそれ以上の空間再現となりました。サービスエリアも広くとることができます。

フェーズプラグの調整部位や調整範囲が広いぶん、非常にシビアなバランス感覚が求められる。私の場合は、併設してあるGS-1の再生音場が基準となります。

Model-7との対話は、まだ終わらなさそうです。

コメント